JA新みやぎ栗っこ地区本部では12月20日、築館支店で令和元年度JA新みやぎ“ぽっちゃり栗原米”作付推進大会を開催し、管内の水稲生産者、関係者ら127人が参加しました。
研修では宮城県古川農業試験場 作物栽培部 副主任研究員 大川茂範氏より令和元年産米の作柄概況と次年産米に向けた対策についての研修を受けました。大川氏は「令和元年産の稲作は出穂期が平年より1日早い8月2日となり、刈取盛期は平年より2日早い9月29日となった。県内の作況は102でやや良となったが、品質については夏場の高温が登熟に影響し、心白や腹白が多く例年に比べ1等米比率は下がる結果となった。高温寡照の気象災害ともいえるが、移植時期が早いことが初期の生育の過剰や㎡籾数の過剰を招いていることなどをあげ、晩期栽培等による作期分散で、気象変動に対するリスクを分散していただきたい」などと説明いたしました。
JA新みやぎ栗っこブランド米生産部会の活動報告として、部会長の大場裕之氏は、販路拡大の活動として新潟県にある大手米卸を訪問し、栗原米のPRを行ったことや、ブランド米として販売している「いくよちゃん(東北194号)」の現地検討会を開催したことなどの報告を行いました。また、同席上で同部会が主催する第2回食味コンクール表彰も行い、4品種(ひとめぼれ、つや姫、だて正夢、東北194号)それぞれの食味審査で選ばれた上位3人計12人が表彰されました。
JA新みやぎ栗っこ多収穫米生産部会の活動報告では、部会長の石川和彦氏が業務用米としてニーズの高い「萌えみのり」の作付け面積が935haまで拡大されたことを報告しました。「萌えみのり」は作付け開始から10年目で作付目標としている1000haにあと少しと近づきました。合言葉は「1俵単価から10aあたりの所得増へ」をもとに、反収アップとコスト削減を目指してきました。何よりも大切なのは、求められる米づくり。必要としてくれるお客様がいるからこそ、ここまで面積の拡大ができたと話しました。
また、講演として無人航空機“ドローン”を活用したスマート農業の実践について、㈱ケーエス 取締役執行役員営業統括部グリーン・スカイ営業部長 佐々木哲氏らが農業用ドローンの普及状況や市場状況について説明を行いました。農業用ドローンによる散布面積は、都道府県を通じて報告された集計数によると2017年は9690ha、翌年の2018年は27346haと約3倍となっており、今後も増加が見込まれるとのことでした。同社の佐々木営業部長は、農業用ドローンを活用し、ほ場の低層リモートセンシングに基づく可変施肥技術などを使って、圃場の状況を可視化できる。これにより栽培の効率化や農機とのデータ連動による省力化などの活用ができると説明を行いました。
大会の最後には、JA新みやぎ栗っこ米戦略部会(こめせんりゃくぶかい) 米山嘉彦部会長が大会宣言として、米の販売環境は厳しいが、実需者のニーズを的確に把握し“ぽっちゃり栗原米”の生産を、生産者・関係機関一丸となって取り組むことを宣言し、会場は大きな拍手で包まれました。